元人事経験者が教える|60代の転職で大切な8つのこと【これまでの経験を次の働き方へ】

仕事・転職

60代になってから、

「まだ働きたい」
「定年後も仕事を続けたい」
「これまでの経験を活かしたい」
「今までとは違う仕事にも挑戦してみたい」

と考える人もいると思います。

一方で、60代の転職では、若い頃と同じ感覚で転職活動をすると難しさを感じることもあります。

書類選考になかなか通らない。

希望していた給与の求人が少ない。

これまでの役職と同じポジションが見つからない。

そんなこともあるでしょう。

だからこそ60代の転職では、

「これまで何をしてきたか」だけではなく、「その経験をこれからどう活かせるか」

という視点が大切です。

今回は、人事・採用や現場運営に関わってきた経験から、60代の転職で意識したい8つのポイントを紹介します。

1.まず「なぜ働きたいのか」を整理する

60代の転職では、最初に、

これから何のために働くのか

を考えてみましょう。

例えば、

  • 生活費を確保したい
  • 年金以外の収入を得たい
  • 社会とのつながりを持ちたい
  • 今までの経験を活かしたい
  • 人と関わる仕事を続けたい
  • 体を動かしたい
  • 新しい仕事に挑戦したい

など、人によって目的は違います。

目的が違えば、選ぶ仕事も変わります。

給与を最優先するのか。

勤務日数を減らしたいのか。

仕事内容を重視するのか。

まずここを整理すると、求人を選びやすくなります。

2.「これまでの役職=次の会社での役職」と考えない

これまで、

部長。

所長。

管理職。

などを経験してきた人もいると思います。

ただ、

前の会社で部長だったから、次の会社でも部長になる

とは限りません。

会社の規模も違います。

組織構成も違います。

求められる役割も違います。

大切なのは肩書きではなく、

その役職で何をしてきたのか

です。

例えば、

「部長を10年やりました」

だけではなく、

「20人のスタッフをマネジメントしていた」

「新人教育を担当していた」

「売上管理をしていた」

「クレーム対応や業務改善をしていた」

と整理します。

転職先に伝えたいのは、

役職名ではなく、経験によって何ができるのか

です。

3.今までの年収=自分の価値ではない

これは50代の転職記事でも触れましたが、60代でも重要です。

例えば、大手企業で年収1,000万円だったとしても、転職先でも同じ年収になるとは限りません。

反対に、

「今の会社では全然評価されていない」

と思っていても、求人を探してみたら、

今より給与が低い。

福利厚生も少ない。

休日も少ない。

ということもあります。

そこで初めて、

「今の会社は、自分が思っていた以上に良い条件だったのかもしれない」

と気づく場合もあります。

役職や年収は、

現在の会社の制度や役割の中で決められている評価

でもあります。

転職では、

「昔いくらもらっていたか」

だけではなく、

次の会社で何ができるか

を見る必要があります。

4.「昔できたこと」ではなく「今できること」を整理する

60代には、長年積み重ねてきた経験があります。

これは大きな強みです。

ただし、

「営業を30年やってきました」

「管理職を20年やりました」

だけでは、転職先には十分伝わらないこともあります。

例えば、

「今でも顧客対応ができる」

「若手社員を育成できる」

「トラブル時に落ち着いて対応できる」

「現場の改善点を見つけられる」

など、

過去の経験を、今提供できる価値に変える

ことが大切です。

長く働いてきたこと自体が強みなのではなく、

その経験を今どう使えるか

を整理してみましょう。

5.年下の上司・先輩と働くことを想定する

これは、私自身が実際の職場で感じたことでもあります。

以前、60代で新しく入社した方がいました。

その方が、自分より年下の先輩社員からフランクな話し方をされたことで、

「自分の方が年上なのに、なぜそんな話し方をされるんだ」

と怒っていたことがありました。

もちろん、

相手が年下だから失礼な態度を取っていい

という意味ではありません。

職場でも、相手への敬意は大切です。

年齢に関係なく、相手を尊重した話し方をすることは必要だと思います。

ただ一方で、

会社の中では、年齢と立場は別です。

自分より20歳若くても、その会社で10年働いている先輩かもしれません。

自分より年下でも、上司になることがあります。

その場合、新しく入社した側は、

「人生では自分の方が先輩」でも、「この会社では自分が新人」

という立場です。

これまでの人生経験や職歴は大切です。

でも、新しい会社では、

まず仕事を覚える。

その会社のルールを知る。

先輩から教えてもらう。

周囲と協力する。

そうした姿勢も必要になります。

敬意は「年齢だけ」で決まるものではない

年上の人に敬意を持つことは大切です。

私もその考え自体を否定するものではありません。

ただ、

「自分の方が年上だから敬意を払ってほしい」だけでは、職場の関係はうまくいかない

ことがあります。

自分も年下の上司や先輩に敬意を持つ。

仕事を教えてもらう。

自分の経験で助けられる場面では力を貸す。

そうやって、

「この人に聞けば安心できる」

「この人と一緒に働きたい」

と思ってもらえるようになる。

その積み重ねの中で、自然と信頼や敬意が生まれてくるのではないでしょうか。

年齢は人生経験の長さを表しますが、会社での役割や序列を決めるものではありません。

60代で新しい会社に入るなら、この考え方はかなり大切だと思います。

6.できないことを無理に隠さない

採用されたいと思うと、

「何でもできます」

と言いたくなることがあります。

でも、無理をして入社すると、あとで自分が苦しくなります。

例えば、

長時間勤務は難しい。

夜勤はできない。

重い物を持つ仕事は厳しい。

PC操作には少し不安がある。

そうしたことがあるなら、

できることと難しいことを整理しておく

ことも大切です。

その代わり、

「この仕事ならできます」

「この経験なら活かせます」

と伝えます。

何でもできる人に見せるより、何ができる人なのかを明確にする。

その方が、入社後のミスマッチを減らせます。

7.正社員だけにこだわらず働き方を考える

60代では、

正社員だけが働き方ではありません。

例えば、

  • 契約社員
  • 嘱託社員
  • パート・アルバイト
  • 短時間勤務
  • 業務委託
  • 専門職
  • 顧問的な仕事

などもあります。

もちろん、

「まだフルタイムでしっかり働きたい」

という人もいるでしょう。

それも一つの選択です。

大切なのは、

雇用形態から決めるのではなく、自分がこれからどう働きたいかから考えること

です。

週5日なのか。

週3日なのか。

責任ある仕事を続けたいのか。

少し仕事量を減らしたいのか。

自分の生活と合わせて考えてみましょう。

8.「これが最後の転職」と考えすぎない

60代になると、

「これが人生最後の転職だ」

と思う人もいるかもしれません。

もちろん、長く働ける会社に出会えれば理想です。

ただ、

必要以上に「絶対に失敗できない」と考えすぎる必要もありません。

例えば、

60代前半は週5日。

60代後半は週3日。

70代になったら短時間の仕事。

という働き方もあります。

一つの会社、一つの働き方だけで、

これからのキャリアすべてを決める必要はありません。

60代からも働き方は変えていい。

そのくらい柔軟に考えてもいいと思います。

書類選考が厳しくても一社にしがみつかない

40代、50代、60代と年齢が上がるにつれて、

「なかなか面接まで進まない」

と感じることがあります。

その状態でようやく一社の面接が決まると、

「ここで絶対に決めたい」

という気持ちになりやすくなります。

でも、

「何でもやります」

「条件は問いません」

「とにかく採用してください」

となってしまうと、入社後に苦しくなる可能性があります。

一回一回の面接が貴重だからこそ、焦って決めない。

仕事内容。

勤務時間。

給与。

休日。

通勤時間。

職場の雰囲気。

少しでも疑問があれば確認する。

会社が自分を選考しているのと同時に、

自分も、その会社で働けるかを確認している

という視点を持っておきましょう。

60代の経験は「古い」のではなく使い方次第

長く働いてきた人には、

若い人にはまだ経験していないことがあります。

人を育てた経験。

失敗した経験。

トラブルを解決した経験。

お客様との関係を作った経験。

会社の変化を経験したこと。

こうした経験は、年齢とともになくなるものではありません。

ただし、

「昔はこうだった」

と新しい会社に押し付けてしまえば、強みではなくなることもあります。

大切なのは、

昔の経験を、今の会社で役に立つ形に変えること。

経験がある。

でも、新しいことも学べる。

若い人からも教えてもらえる。

そして、自分の経験で助けられるところでは助ける。

そういう人は、年齢に関係なく職場で頼られる存在になれると思います。

まとめ|経験と柔軟さの両方を次のキャリアへ

60代の転職で意識したいのは、

  1. なぜ働きたいのかを整理する
  2. 役職にこだわりすぎない
  3. 今までの年収だけで自分を評価しない
  4. 「今できること」を整理する
  5. 年下の上司・先輩とも敬意を持って働く
  6. できないことを無理に隠さない
  7. 正社員以外の働き方も考える
  8. 「これが最後の転職」と考えすぎない

という8つです。

60代の転職は、

これまでのキャリアを捨ててゼロから始めることではありません。

これまで積み上げた経験を持ったまま、新しい職場のやり方を学ぶ。

年下の人から教えてもらうこともある。

反対に、自分の経験で誰かを助けられることもある。

だからこそ重要なのは、

経験と柔軟さの両方を持つこと。

「今まで何をしてきたか」だけではなく、

「これから自分はどんな働き方をしたいのか」

まで考えることが、60代からのキャリアでは大切なのではないでしょうか。

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