「デイサービスって、どこを選んでも同じじゃないの?」
初めて介護サービスを探すと、そう感じる人もいるかもしれません。
実際には、デイサービスによって、
「一日の過ごし方」
「入浴」
「食事」
「機能訓練」
「レクリエーション」
「職員の雰囲気」
などにかなり違いがあります。
建物が新しい。
家から近い。
料金が安い。
もちろん、こうした条件も大切です。
でも、介護現場で働いてきた経験から私が特に大切だと思うのは、
「本人がここなら無理なく通い続けられそうか」
という視点です。
今回は、デイサービスを見学するときに確認してほしい7つのポイントを紹介します。
1.まず施設全体の雰囲気を見る
ホームページやパンフレットを見ると、どのデイサービスも楽しそうに見えます。
でも、写真だけでは実際の施設の雰囲気までは分かりません。
できれば、実際に利用者がいる時間に見学してみましょう。
そのときは、
- 利用者はどんな表情で過ごしているか
- 職員は利用者にどんな声をかけているか
- 職員同士が声を掛け合っているか
- 施設全体が落ち着いているか
- 利用者が無理に何かをさせられていないか
などを見てみてください。
「きれいな施設か」だけではなく、
そこで過ごしている人たちの表情を見る
ことも大切です。
2.一日の過ごし方が本人に合っているか
デイサービスによって一日の過ごし方はかなり違います。
例えば、
みんなでレクリエーションをする時間が多い施設。
運動や機能訓練を中心にしている施設。
比較的自由に過ごせる施設。
趣味活動に力を入れている施設。
どれが良い、悪いということではありません。
大切なのは、
本人に合っているか
です。
人と話すのが好きな人なら、交流が多いデイサービスが楽しいかもしれません。
一方、
「大人数でゲームをするのは苦手」
「静かに過ごしたい」
という人には、それが負担になることもあります。
見学したら、
「普段は皆さんどのように一日を過ごしていますか?」
と聞いてみるといいでしょう。
3.入浴方法を確認する
デイサービスを利用する目的の一つが、
入浴
という家庭も多いと思います。
そこで確認したいのが、
- 個浴なのか
- 大浴場なのか
- 機械浴があるのか
- どの程度の介助まで対応できるのか
- 入浴できる曜日は決まっているのか
- 本人の身体状況が変わっても対応できそうか
といった部分です。
例えば、
「他の人と一緒にお風呂に入るのは嫌」
という人もいます。
反対に、
「家より広いお風呂に入れるのが楽しみ」
という人もいます。
本人が安心して入浴できる方法か
を確認しておきましょう。
4.送迎時間と送迎方法を確認する
デイサービスでは、自宅と施設の間を送迎してもらうケースが一般的です。
ただし、
家から近い=送迎時間も短い
とは限りません。
複数の利用者を順番に送迎するためです。
確認しておきたいのは、
- 朝のおおよその迎え時間
- 帰宅時間
- 送迎範囲
- 玄関先までなのか
- 集合住宅の場合はどこまで対応できるのか
- 家族が不在でも対応可能なのか
などです。
特に家族が仕事をしている場合、
送迎時間と家族の生活が合うか
は重要です。
5.食事は「安いから」で選ばない
食事を楽しみにデイサービスへ通う人もいます。
そのため、
- どんな食事が出るのか
- 量は適切か
- 施設内で調理しているのか
- 外部から配送されるのか
- 刻み食などに対応できるのか
- アレルギーへの対応はどうか
- おやつ代を含んでいるのか
などを確認してみましょう。
ここで注意したいのが、
食事代が安いことだけを理由にデイサービスを選ばない
ということです。
通所介護では、「食事の提供に要する費用」は介護保険サービスそのものの費用とは別に、利用者に負担してもらうことができる費用として制度上整理されています。 厚生労働省
例えば周辺のデイサービスが600円、700円程度なのに、
「うちは昼食100円です」
という施設があったとします。
100円だから悪い施設、という意味ではありません。
事業者側の工夫や仕入れ方法など、安く提供できる理由があるかもしれません。
ただ、極端に価格が違うのであれば、
「なぜこの価格で提供できるのかな?」
と確認してみてもいいと思います。
例えば、
「実際にどんな食事が出ますか?」
「この金額には何が含まれていますか?」
と聞いてみます。
可能なら、見学時に実際の昼食を見せてもらうのもおすすめです。
大切なのは、
100円か700円かではなく、本人が毎回安心して食べられる内容なのか
ということです。
なお、「デイサービスは食事で利益を出してはいけない」と単純に言い切れる制度ではありません。制度上は食事提供に要する費用を利用者負担とする仕組みなので、ブログでは価格だけでなく内容を確認する、という考え方にしておくのが適切です。 厚生労働省
6.対応してくれた人だけでなく「他の職員」を見る
これは、私がデイサービス選びでかなり大切だと思っているポイントです。
施設を見学すると、多くの場合、
所長
管理者
生活相談員
などが丁寧に説明してくれます。
もちろん、その人たちの対応も大切です。
でも、そこだけを見ないでほしいと思います。
施設内を案内してもらっているときに、
介護職員。
看護職員。
機能訓練指導員。
送迎職員。
など、いろいろな職員とすれ違うことがあります。
そのとき、
その職員さんが自然に挨拶をしてくれるか
を見てみてください。
「こんにちは」
と笑顔で挨拶してくれる。
利用者にも自然に声をかけている。
職員同士でも声を掛け合っている。
こうした何気ないところに、
普段の施設の雰囲気
が表れることがあります。
もちろん、入浴介助中だったり、緊急対応中だったり、忙しくて挨拶できないこともあります。
一人の職員が挨拶をしなかっただけで、
「このデイサービスはダメ」
と判断する必要はありません。
ただ、
何人もの職員とすれ違ったのに誰からも挨拶がない。
職員同士もほとんど会話をしていない。
職員の表情が極端に暗い。
そんな場合は、
「普段の職場の雰囲気はどうなんだろう?」
と少し気にしてみてもいいと思います。
デイサービスは「職員」が大きな要素
デイサービスは、
建物。
設備。
食事。
レクリエーション。
機能訓練。
など、いろいろな要素でできています。
でも、そのサービスを実際に提供するのは職員です。
利用者が毎週会うのも職員です。
だから私は、
良い職員がいることは、良いデイサービスを考えるうえで大きな要素の一つ
だと思っています。
特に見学では、
対応してくれた所長や生活相談員だけでなく、すれ違った職員の挨拶や利用者への接し方も見る。
これはぜひ覚えておいてほしいポイントです。
7.最後は「本人がまた来たいと思えるか」
そして最後は、これです。
家族から見ると、
「設備がいい」
「家から近い」
「食事も安い」
「運動もできる」
と完璧に見える施設でも、
本人が、
「ここには行きたくない」
と思ってしまうことがあります。
反対に、家族には普通の施設に見えても、
本人が職員と話して、
「ここならまた来てもいい」
と思うこともあります。
介護サービスは、一度利用して終わりではありません。
週1回。
週2回。
場合によっては週4回、5回と通う人もいます。
だからこそ、
本人が無理なく通い続けられるか
を大切にしてほしいと思います。
できれば複数のデイサービスを見学する
時間に余裕があれば、1か所だけで決めず、複数の施設を見てみるのもおすすめです。
比べてみると、
「ここは運動中心だな」
「ここは自由に過ごせそう」
「この施設は職員との距離が近いな」
「ここは食事がおいしそう」
など、それぞれの特徴が分かります。
ホームページだけで判断せず、
実際に利用者がいる時間帯に見学する
ことで見えてくることもあります。
ケアマネジャーには具体的な希望を伝える
担当のケアマネジャーがいる場合は、
「デイサービスを探しています」
だけではなく、
「お風呂に入りたい」
「運動をしたい」
「人と話してほしい」
「大人数は苦手」
「夕方まで利用したい」
など、できるだけ具体的に伝えてみましょう。
希望が分かれば、その人に合いそうな施設を提案してもらいやすくなります。
ただし、最終的に通うのは本人です。
家族やケアマネジャーだけで決めるのではなく、
本人の気持ちも確認しながら決める
ことが大切です。
まとめ|「一番良い」ではなく「本人に合う」を探す
デイサービスを選ぶときに確認してほしいのは、
- 施設全体の雰囲気
- 一日の過ごし方
- 入浴方法
- 送迎時間・送迎方法
- 食事の内容と料金
- 所長や相談員以外の職員の様子
- 本人が「また来てもいい」と思えるか
です。
最新の設備がある。
食事が安い。
家から近い。
レクリエーションが多い。
こうした条件だけで、
「良いデイサービス」
が決まるわけではありません。
特に見学するときには、
職員が利用者にどう接しているか。
すれ違った職員が自然に挨拶してくれるか。
利用者がどんな表情で過ごしているか。
そんな、パンフレットには書かれていない部分も見てみてください。
そして最後は、
「どのデイサービスが一番良いか」ではなく、「この人にはどのデイサービスが合いそうか」。
そんな視点で選んでもらえたらと思います。


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